調べ物をしていて、複数のサイトに同じ数字が書かれているのに、どれも出典が書かれていない。そういうことがあります。数字は見つかったが、それがどこから来たのか分からない状態です。

この記事では、一次情報と二次情報の違いを整理したうえで、Webリサーチで元の情報源をどう確認するかを説明します。

はじめに一点。「一次情報」「二次情報」という言葉は、分野や文脈によって指す範囲が異なります。

マーケティングリサーチでは、調査目的のためにアンケートやインタビューで新たに取得したデータを一次情報、すでに他の目的で収集・公表されている統計や資料を二次情報と呼ぶ整理が使われます。

一方、情報収集の文脈では、当事者や発生元による発表・原資料を一次情報、それを第三者が要約・解説・報道したものを二次情報として扱うことがあります。

この記事では用語の分類そのものを主題にしません。Webリサーチの実務として、見つけたページだけで判断せず、可能な範囲で元の情報源まで確認するという点を中心に説明します。

一次情報とは

情報源という観点で見たとき、「元の情報に近いもの」として扱われるのは次のようなものです。

  • 当事者自身による発表(企業のプレスリリース、公式アナウンス)
  • 調査や実験を行った主体による原資料(調査報告書、研究論文)
  • 行政機関等が公表する原資料(統計表、白書、審議会資料)
  • 企業が開示する資料(有価証券報告書、決算資料)

共通するのは、その情報や調査に直接関わった主体が公表している資料であるという点です。ただし、資料自体が要約・編集された形で公表されている場合もあります。

調べたい内容について「これが元だ」と確認できる資料にたどり着けると、日付、対象範囲、定義、前提条件を自分で確認できます。

二次情報とは

元の資料や出来事をもとに、要約・編集・解説・分析・報道された情報です。

  • 企業の発表を報じたニュース記事
  • 統計を引用した解説記事
  • 調査レポートを紹介するWeb記事
  • 複数の資料をまとめた比較記事

二次情報には、元情報にはない役割があります。

  • 複数の情報をまとめて全体像を把握しやすくする
  • 背景や経緯を説明する
  • 専門家による分析を加える
  • 元情報を発見する手がかりになる

特に最後の点は実務的に重要です。何を調べればよいか分からない段階では、解説記事やまとめ記事から始めるほうが早く目的の資料にたどり着けます。

一次情報と二次情報は「信頼度ランキング」ではない

「一次情報は正しく、二次情報は信頼できない」という単純な整理はできません。

元の情報源であっても、そのまま別の目的に使えるとは限りません。

  • 企業自身による説明には、広告としての性質を持つ表現が含まれることがある
  • アンケート調査は、対象者や設問設計によって結果が変わる
  • 統計は調査時点のものであり、現在の状況とは異なることがある
  • 実験結果は、特定の条件下で得られたものである

一方、二次情報が役に立つ場面もあります。

  • 複数の原資料を照合したうえで書かれた報道
  • 専門知識をもとにした分析
  • 複雑な資料を整理して読みやすくした解説

大事なのは、情報源の種類で順位をつけることではなく、次の5点を確認することです。

確認すること見るポイント
誰が作った情報か発信元は当事者か、第三者か。組織か個人か
何を根拠にしているか調査したのか、他の資料を引用したのか、意見なのか
いつの情報か公表日と、内容が対象とする時点
どの範囲についての情報か対象地域、対象者、対象商品などの範囲
自分の調査目的に合っているか同じ言葉でも、自分が必要とする範囲と一致しているか

Webリサーチでは「元の情報源」を確認する

実際の流れを例で見てみます。

説明用の例(数値は架空のものです)

検索で「◯◯市場は前年比20%増」という記事を見つける

↓

記事本文に「△△調査会社の調査によると」とある

↓

△△調査会社のサイトで、元のレポートや発表を探す

↓

調査対象、対象期間、市場の定義を確認する

記事をそのまま出典として記録するのではなく、記事を入口にして元の発表までたどります。元資料では、記事に書かれていなかった調査条件や対象範囲が分かることがあります。

二次情報を「発見のための経路」として使い、必要に応じて元情報まで戻る。これがWebリサーチでの基本的な進め方です。

Web上の公開情報を調べるときの全体的な流れはWebリサーチの基本的な進め方で扱っています。

元の情報源を探す方法

記事やページの中で、出典の手がかりになる場所は決まっています。

  • 本文中の「出典」「参照」「引用」の表記
  • 図表の下にある脚注
  • 記事末尾の参考資料・参考文献
  • PDF資料の注記や巻末
  • 本文からのリンク先
  • 発表主体の名称
  • 調査名・資料名
  • 公表年月日

資料名や調査名が分かれば、それを検索語にして元のページを探せます。

  • 資料名・レポート名をそのまま検索する
  • 調査名で検索する
  • 企業名と発表内容を組み合わせて検索する
  • 官公庁名と統計名を組み合わせて検索する

検索結果に表示される要約だけで終わらせず、元のページや資料を開いて内容を確認してください。

企業情報は企業自身の公式ページまで確認する

価格、サービス内容、会社概要、公式発表、IR情報、採用情報などを第三者サイトで見つけた場合、現在の情報を確認する目的であれば公式サイトも見てください。

第三者サイトの情報は、掲載時点では正確でも、その後の変更が反映されていないことがあります。

ただし、公式サイトの情報が「客観的」というわけではありません。公式サイトで確認できるのは「その企業自身が何を公表しているか」です。

企業による自社評価、広告表現、将来の計画などは、企業の説明として記録します。第三者による評価とは区別してください。

企業について確認できる情報と、その確認先は企業情報をWebで調べる方法で整理しています。

統計データは引用元の統計までたどる

Web記事に統計データが引用されている場合、元の統計まで確認します。

確認の流れ

Web記事:「◯◯の利用者は△万人」

↓

記事中の出典表記:「◯◯省 △△調査」

↓

元の統計資料を開く

元の統計で確認するのは次の点です。

  • 統計名
  • 調査主体
  • 調査対象(誰を・何を数えたか)
  • 対象地域
  • 対象期間
  • 単位
  • 集計方法
  • 公表日

Web記事が正しく引用していても、記事の趣旨に合わせて一部の数値だけが抜き出されていることがあります。元の統計を見ると、条件が異なる別の数値も掲載されていることがあります。

市場や業界を調べるときの情報源については市場調査で使える情報源でまとめています。

ニュース記事は「何を根拠に報じているか」を見る

ニュース記事の根拠にはいくつかの種類があります。

根拠確認するときの注意
企業の公式発表元のプレスリリースやニュースリリースも確認できます
官公庁の発表元の発表資料を確認できます
記者会見発言内容が元になっています。企業サイトに全文がないこともあります
取材報道機関が独自に取得した情報です。他に同じ情報源がないこともあります
報道機関の独自調査その報道機関が実施した調査です
関係者への取材匿名の場合、内容を他で確認できないことがあります

公式発表が元になっている記事であれば、元の発表資料も確認してください。記事では要点がまとめられているため、詳細な条件が省かれていることがあります。

一方で、報道機関が独自に取材して得た情報が記事になっていることもあります。この場合、同じ内容が企業の公式サイトに掲載されているとは限りません。

公式発表が見つからないからといって、報道内容を自動的に誤りと判断しないでください。記録するときは「報道による」と情報源を明記し、公式発表とは区別して扱います。

まとめ記事・比較記事は出典を確認する

まとめ記事や比較記事から、価格、機能、企業情報、統計、市場規模などを確認した場合、そのページが何を根拠にしているかを見てください。

「◯◯によると」「◯◯調べ」「出典:◯◯」といった表記があれば、元の資料を探せます。

出典が記載されていない場合は、そのページだけでは元情報を確認できない状態です。必要に応じて、記載内容や資料名などを手がかりに元の情報源を探します。内容から推測して「おそらくこの資料が元だろう」と決めないでください。似た数値が複数の資料にあることもあり、推測で特定すると誤った出典を記録することになります。

検索結果の要約だけで判断しない

検索結果には、タイトル、スニペット、日付などが表示されます。検索エンジンによっては要約が表示されることもあります。

これらは検索語に応じてページの一部が抜き出されたものです。ページ全体の条件や文脈が省略されている可能性があります。条件付きの記述が、無条件のように見えることもあります。

検索結果は情報を見つける入口として使い、判断に必要な内容は元ページで確認してください。

AIで見つけた情報も出典を確認する

生成AIやAI検索を使って情報を見つけた場合も、確認の考え方は同じです。重要な事実や数字については、参照元まで確認します。

確認の流れ

AIの回答

↓

示されている出典

↓

元ページ・元資料を開く

↓

内容、日付、対象範囲を確認する

出典が示されていない情報については、別途検索して元の資料を探します。これは、Web記事に出典が書かれていない場合と同じ対応です。

情報をどこで見つけたかにかかわらず、判断に使う内容は元の情報源まで確認する。この手順自体は変わりません。

生成AIで情報収集するときの確認手順はAIリサーチとは?生成AIで情報収集するときの確認ポイントで詳しく扱っています。

情報源を記録するときに残したい項目

確認した情報は、後から検証できる形で記録します。

項目記録内容
確認した内容何を確認したか
情報源企業、官公庁、調査会社、報道機関など
資料名・ページ名元資料の名称
URL元ページのアドレス
公表日その情報が公表された日
対象期間数値などが対象とする期間
確認日自分が確認した日
備考定義、条件、未確認事項

公表日と確認日は別のものです。公表日はその情報が発表された日、確認日は自分がそのページを見た日です。

両方を残しておくと、「いつ時点で公表された情報を、いつ確認したか」が分かります。時間が経ってから見返すとき、情報を更新すべきかどうかの判断材料になります。

元の情報源が見つからない場合

次のような状況はよく起こります。

  • 記事に数字があるが、出典が書かれていない
  • 複数のサイトが同じ文章を転載していて、どれが最初か分からない
  • 引用元へのリンクが切れている
  • 出典として企業名だけが書かれていて、どの資料か分からない

この場合、次の方法を試します。

  • 記事中の特徴的な一文をそのまま検索する
  • 資料名・調査名で検索する
  • 調査主体の名称で検索する
  • 発表元と思われる組織のサイト内を探す
  • PDF資料として公開されていないか探す
  • 公式サイトのニュース一覧を遡る

それでも確認できない場合は、「元の情報源を確認できなかった」と記録してください。

検索して見つからないときの探し方は検索しても情報が見つからないときの探し方で整理しています。

推測で「おそらくこの資料が元だろう」と決めないでください。確認できていない状態のまま出典を書くと、後からその出典が事実として扱われます。記録上は、どこまで確認できて、どこから先が確認できていないかを分けておいてください。

情報源の確認に時間をかけられない場合

Webリサーチでは、必要な情報を探すだけでなく、その元の資料を確認する作業も必要です。複数の情報を突き合わせ、日付と対象範囲を確認し、出典を整理する。確認すべき項目が増えるほど、この作業も増えていきます。

optimal plan SEARCHでは、Web上の公開情報を対象とした検索・リサーチを代行しています。調査結果は情報源を明示した形でお渡しします。確認できなかった情報は「確認できなかった」とお伝えします。

「この数字の出典を確認したい」という単発のご相談でも構いません。

ご相談だけでは料金はかかりません。
内容と料金をご確認いただいてから調査を開始します。