競合の価格を調べて比較表を作ったものの、数字が並んだだけで判断に使えなかった。そういうことがあります。

原因の多くは、条件の違う価格を同じ列に並べてしまうことです。たとえば同じ「月額9,800円」という表示でも、年間契約時の月額換算であったり、税別であったり、最小プランの価格であったりします。

この記事では、Web上の公開情報から競合サービスの価格を調べ、同じ条件で比較できる形に整理する方法を説明します。

競合の価格調査では「数字」と「条件」をセットで確認する

価格調査でやりがちなのが、料金ページに書かれた金額だけを抜き出すことです。

料金ページの表示(説明用の例)

月額 9,800円

仮にこう表示されていたとして、この表示だけでは、税込か税別か、月払いか年払いの月額換算か、何人まで使えるのか、初期費用が別にかかるのかが分かりません。

仮に別の会社が「月額12,000円(税込・初期費用なし・10名まで)」と表示していたとします。このとき数字だけを比べて「9,800円のほうが安い」とは言えません。条件が揃っていないためです。

価格を記録するときは、金額と一緒に条件も記録してください。後から条件を調べ直すより、最初から一緒に記録するほうが早く終わります。

まず公式の料金情報を探す

現在の価格を確認するときは、まず公式情報を確認します。比較サイトやまとめ記事の数字は、更新されていないことがあります。

確認先備考
公式料金ページ最初に確認する場所。プラン構成と基本料金が載っています
商品・サービスページ料金ページがない場合、ページ内に価格が書かれていることがあります
料金表(PDF)法人向けサービスでは料金表をPDFで配布していることがあります
FAQ「初期費用はかかりますか」などの形で条件が書かれていることがあります
利用規約契約期間、支払い条件、解約時の扱いが記載されています
申込ページプラン選択画面に、料金ページにない条件が出ることがあります
公式プレスリリース新プラン発表時に価格が公表されていることがあります

サイト内から料金ページが見つからない場合、「サービス名 料金」「サービス名 プラン」「サービス名 初期費用」のように、確認したい内容を検索語に加えて探します。PDFで配布されている場合は「サービス名 料金表 PDF」のような検索でも見つかることがあります。

検索結果のスニペットに金額が表示されていても、そのまま記録しないでください。スニペットは条件を含む前後の文が切り落とされていることがあります。必ず元のページを開いて確認します。

料金比較で確認したい項目

価格を記録するときに揃えておきたい項目です。

項目確認する内容
料金表示されている金額
課金単位月額、年額、1ユーザーあたり、1件あたりなど
初期費用導入時に別途かかる費用があるか
契約期間月単位か、年間契約か、最低利用期間があるか
プランどのプランの料金か
利用条件人数、容量、利用回数などの上限
オプション基本料金に含まれない追加費用
税税込表示か税別表示か
割引年払い割引、キャンペーン価格の有無
対象法人向けか個人向けか、対象地域に制限があるか
情報源URL価格を確認したページのURL
確認日自分が確認した日付

必要な項目はサービスによって変わります。従量課金のサービスなら「単価」と「無料枠」、人数課金なら「1ユーザーあたりの単価」と「最低契約人数」が重要になります。調べる対象に合わせて項目を調整してください。

「月額◯円〜」の「〜」を確認する

料金ページでよく見かける表示です。

よくある表示(説明用の例)

月額 5,000円〜

仮にこう書かれていた場合、この「〜」は最小構成での価格を示しています。実際に使う条件では、この金額にならないことがあります。

「〜」が付いている場合、次の点を確認してください。

  • 最低価格はどのプラン・どの条件のものか
  • その条件で実際に使えるか(人数、容量、機能の上限)
  • 必要な機能がオプション扱いになっていないか
  • 初期費用が別にかかるか
  • 最低契約期間があるか

最低価格をそのまま代表価格として比較表に入れると、実際の費用感とずれます。上の例であれば「5,000円〜(最小プラン・3名まで・年間契約時)」のように、条件とセットで記録してください。

使いたい条件での価格が公開されていない場合は、「最小構成の価格のみ公開、想定条件での価格は非公開」と記録します。推測で計算した金額を書かないでください。

月額・年額・従量課金をどう比較するか

料金体系が各社で異なると、そのままでは並べられません。

例料金体系
A社月額制(月払い)
B社年額制(年払いのみ)
C社基本料金+従量課金

このとき、すべてを「月額」に換算して一列に並べたくなりますが、無理に統一しないほうが実態を保てます。

おすすめは、次のように分けて記録する方法です。

  • 料金体系(月額制 / 年額制 / 従量課金)
  • 基本料金
  • 従量部分の単価と単位
  • 契約期間

そのうえで、比較のために換算した数値を併記する場合は、それが換算値であることを明示します。

年額を12で割った数値は「月払い価格」ではありません。年払いでしか契約できないサービスでは、月々その金額を支払うわけではなく、初回に年額を支払います。表に入れる場合は「年額を12か月で割った参考値」と分かる書き方にしてください。

価格が公開されていない場合の調べ方

料金ページに金額がなく「お問い合わせください」だけのサービスもあります。その場合、公式サイトの他の場所を確認します。

確認先備考
FAQ・よくある質問「料金はいくらですか」の回答に目安が書かれていることがあります
資料ダウンロード用PDFサービス紹介資料に料金表が含まれていることがあります
利用規約価格そのものより、契約単位や支払い条件が分かることがあります
過去の公式プレスリリースサービス開始時やプラン改定時の発表に価格が載っていることがあります
申込・見積もり画面プラン選択画面まで進むと金額が表示されることがあります
公式のお知らせ価格改定の告知に、改定前後の価格が書かれていることがあります

公共調達の対象となるサービスでは、入札結果や契約情報が公開されていることもあります。対象が該当する場合は確認先の一つになります。

第三者情報に価格が載っている場合

報道、専門メディア、比較サイトなどに価格が書かれていることがあります。ただし、これらを現在の公式価格として扱わないでください。

記事が公開された後に価格改定があっても、記事は更新されないことがあります。第三者情報の価格を記録する場合は、次を残してください。

  • その情報をどこで見たか(URL)
  • その情報がいつ公開されたものか
  • 公式では確認できていないこと

「非公開」と「確認できず」を区別する

この2つは意味が違います。

  • 要問い合わせ / 価格非公開:公式サイトに「お問い合わせください」と書かれており、公開していないことが確認できる場合
  • 公開情報では確認できず:探したが、価格に関する記載を見つけられなかった場合

前者は公式サイト上で価格が公開されていないことを確認できた状態、後者は調査した範囲では価格を確認できなかった状態です。書き分けておくと、後から見た人が次に何をすべきか判断できます。

古い価格を混ぜないために確認日を残す

価格は改定されます。調べた時期の違う情報を同じ表に並べると、比較が成立しません。

確認するのは次の3つです。

  • ページの公開日
  • ページの更新日
  • 自分が確認した日

公開日・更新日が記載されていないページもあります。その場合は、自分が確認した日だけでも残してください。

過去のプレスリリースや古い比較記事から価格を拾う場合は、必ず時点を明示します。「◯年◯月時点の発表による」のように書いておけば、後から現在価格と取り違えることがありません。

競合価格を比較表に整理する

集めた情報を、同じ項目で横に並べます。

項目A社B社C社
サービス名———
プラン———
基本料金———
課金単位———
初期費用———
契約期間———
利用条件———
オプション———
税込 / 税別———
情報源URL———
確認日———
備考———

この表の目的は「どこが一番安いか」を決めることではありません。各社の料金体系と条件を、同じ項目で確認できる状態にすることです。

備考欄には、表の枠に収まらない条件を書きます。「この価格は初年度のみ」「この機能は上位プランから」といった注記が抜けると、表の数字だけが独り歩きします。

出典や確認日の残し方を含めた比較表の作り方は競合比較表の作り方で扱っています。

価格だけでは比較できない場合もある

同じ金額でも、含まれるものが違えば比較になりません。

  • 使える機能の範囲
  • サポートの内容と対応時間
  • 利用量や人数の上限
  • 契約の柔軟性(途中解約、プラン変更)
  • データの移行やエクスポートの可否

価格調査の結果を意思決定に使う場合は、サービス内容や提供条件も併せて確認することになります。

競合について価格以外に何を確認するかは競合調査で確認したい項目と情報源で整理しています。調査全体をどう進めるかは競合調査全体の進め方を参考にしてください。

競合の価格調査に時間をかけられない場合

各社の料金ページを開き、条件を読み取り、PDFや利用規約も確認し、同じ項目に揃えて記録する。対象が増えるほど、この作業にかかる時間も増えていきます。

optimal plan SEARCHでは、Web上の公開情報を対象とした検索・リサーチを代行しています。調査結果は情報源を明示した形でお渡しします。確認できなかった情報は「確認できなかった」とお伝えします。

「どの項目で比較すればいいか整理したい」という段階でもご相談いただけます。

ご相談だけでは料金はかかりません。
内容と料金をご確認いただいてから調査を開始します。